「光の回折」
「鳥取公立高校の足利と申します。よろしくお願いします。 この前、中国地方の『おはよう日本』って書いてありますけど、そのローカル版ですけど、取材がありましたんで。」 |
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(録画した番組を放送) 「子どもたちの科学離れが教育現場の大きな課題となっています。こうした中、科学実験を通して生徒たちの科学への関心を高めようとしている物理教師がいます。手作りの教材で行われるこだわりの授業を取材しました。」 |
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『一見吹き矢で遊んでいるように見えますが、これは物理の実験です。筒の長さによって矢を吹き飛ばす運動量が変わります。 (短い筒を示す)短い時間しか加速されない、(長い筒を示す)これは長い時間加速される。ということで、あの』 「鳥取工業高校教諭の足利裕人さんです。科学の理論を簡単な仕掛けで体感できる実験重視の授業を行っています。今多くの教育現場では実験が活発に行われていないといいます。この高校でも足利さんが転勤してきた1年前には実験道具はほとんど使えない状態でした。」 『(実験器具を示す)これは、えーと、電場実験器なんですけど、これも全然動かないですね』 |
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「(100円ショップで)そこで足利さんは100円ショップやホームセンターで材料を探して、手作りの教材で実験を続けています。」 『これ重力レンズに使えますね(グラスを示す)』 「休みの日や帰宅後の時間を使って、自宅で教材の研究をしています。単純な道具で物理の法則をいかに分かりやすく見せるか。今までに100点以上の教材を創作してきました。教材の発明を対象とした、全国的なコンテストでも3年連続で入賞しています。」 |
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(授業の様子)『はい、おはようございます。』 「この日の授業は光の波長がテーマです。配っているのは、特殊な加工が施された透明なシートです。このシートを通すと、光を波長ごとの成分に分けることができます。このシートを通して5色の発光ダイオードの光を見てみます。発光ダイオードの光はいくつかの成分が含まれています。」 |
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「青はほぼ一色で構成されています。」 |
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「緑や赤も同様です。黄色の光は、赤と緑の成分に分かれます。」 |
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『はい、白はどうなってる。白の光。何が見える。』 「白い光は青、緑、赤の成分に分かれました。」 『白が消えた。白が消えたということはどういうことでしょう。この分かれた赤と緑と青をまた足してやると白になる』 「光の三原色の理論を自分の目で見て納得する授業でした。」 『(生徒)光の違いに、色によって違うと言うのが分かりました』 |
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『やっぱり教科書と同じにやってると、もう試験が済んだりしたら綺麗に忘れてしまったりして。で、日常生活で同じような問題が生じたりした時に問題解決になかなか結びつかない。体験に基づいた活動だけが知恵として活きるという』 「体験を通して考える力を養うことが学力向上への近道になる。足利さんの実験中心の授業は続きます。」 「足利先生の授業、受けてみたいですね。」 「生徒たちの目が輝いていましたよね。」 「先生の目も輝いていましたね。鳥取からのリポートでした。」 |