「サイエンスレンジャーで実施している工作教室を授業に生かす」

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「では、よろしくお願いします。
  サイエンスレンジャー登録は8年位前にJST職員に声を掛けられてしました。最初は2年ごとの更新でしたが2年位前に、『もう新しい人は募集しません。その代わり今レンジャーの人はずっとやってください』ということで、永久登録になりました。
  登録だけでは講師の声がかからないので、ガリレオ工房などの団体に所属しています。ガリレオ工房は主にサイエンスショーなどをやっている団体です。ショーの裏方をやったり、舞台で見せるものを作ったりしています。最近ではつきあいが広がり、検定外教科書を作る会に参加したり、放射線教育フォーラム、サイエンスEネットにも参加して、川村先生のお手伝いをしたりしています。」



「サイエンスレンジャーに登録した際の私のスタンスは『旅費と材料費を用意していただければ、どこでも行きます』というものです。あまり遠い所は旅費がかかるので行かないようにしていますが、主催者が用意しますというので、九州までお手伝いに行ってきたこともあります。
  ですから君たちもそのつもりがあれば、かなり遠方まで行くことができます。あくまでも授業優先ですが、金曜日の授業終わった後すぐ行けば2泊3日の行程が可能です。   今回はサイエンスレンジャーのネタから『光で遊ぼう』を紹介します。これは、去年6月にRikaTanに紹介してるので、その記事をベースに今日は話をしていきます。
  今回の授業枠としては作るところまで入れて90分ですので、雑誌のネタを全てはやれません。そのうちの3つを抜粋して紹介したいと思います。」



「今回のネタを将来授業で使うのもいいし、実験教室としてやっても構いませんけれど、一言連絡してください。というのは、怪我や事故が心配なんです。紹介したネタを使って講師をしたい人に対して、『こういう注意事項があるから守ってください。』と注意をするために連絡を取ってもらうということにしてます。今回のネタの他に『独楽で遊ぼう』というのもRikaTan9月号で紹介しています。風独楽(かぜごま)を回して遊ぶのですが強く吹くと思ったより高く浮き上がって来ますので、顔に当てて怪我をされる心配があります。その防止で7つくらい留意していることを教えています。
  今回の工作は、ほとんど怪我をしそうな点はないのですが、このネタは連絡必要、このネタは連絡不要という具合に分けて公開はできませんので、全てのネタで連絡してくれれるように言っておけば、注意事項を教え、怪我をしないようにしてください、という話ができます。」



「今日は3種類の工作をします。1つ目は机上に置いてある四角の用紙です。回折シートと言われているもので、実験教室の始まる前に置いておくと小学生は興味を持って覗いて見ています。理科大生は慎み深いですね。では、蛍光灯を覗いて見てください。そうすると虹らしいものが見えます。
  これは実験教室では回収しないであげます。君たちも同じです。お持ち帰りください。
  これは高校になると、回折とは何ぞや、光がこうなって、という話をしますけれど、小学生対象の実験教室では授業らしきものは実施しません。」



「今日は授業のネタの紹介という話ですから、一応解説をします。光が分かれて2つの道すじを通過します。この2つの道すじを通った光が互いに干渉した結果、明るい部分が現れます。このようなスリットがある場合、光路差で強め合う部分が生じます。」
板書【dsinθ=m・λ】
「回折の式で、同じmに対して波長が長いほど角度は大きくなる、という話で授業をしています。
  さらに、授業ではこの回折シートで虹を見るだけでなく、波長λが分かっているレーザー光線を当てて角度θを測る。そうすると距離dが求まると講義します。距離dが分かると、スリットが1mmに何本あるかが計算される。距離dを求め逆数を取ればよいと話して実験で求めさせます。
  高校生に実際に求めさせたことがあり、大体500本あると求まりました。」



「今回、配布した回折シートは縦と横が同じように格子状になってるので、立体的に9個、真ん中に対して8個虹が見える回折シートです。
  これはかなり安い回折シートで、ハンズで買えます。60cm幅のものが10cmきざみで売っています。中村理科のサイボックスでも売っていますが、そこで売っているのは精度がいいものです。原則縦または横の一方向しかないものですが30cm四方くらいで4,500円です。
  ちょっと高価で子どもたちに配るにはできない、という場合、材料探しも実験教室や授業の前準備になりますのであちこち探してみてください。」



「サイエンスEネットやガリレオ工房に所属してるのは、お互い『自分でこういうことをやって良いのがあったよ』と見つけたことを紹介して、それを広めていくためです。ですから、今回も隠し事しません。回折シートはハンズに行けば売っています。そこでご購入して、自分で切って使ってください。
  配布した回折シートの白い枠はフィルムのマウントです。100枚で400円くらいですので、それに挟んで配ってもたいした出費になりません。回折シートを切ってだけで配った人もいますが、そちらよりは持っていってもらえそうということで、マウントをつけています。」



「高校生もそうですが授業などで話すとき、なるべく身近な人を例にして引き合い出すと実験教室に参加する子どもたちはより一層興味を持ちます。
  これは今回も使っています。分光筒を作ってもらうのですが、これに使われてるのは、こちらの回折シートです。回折シートと筒を使って分光筒を作ります。
  これは去年川村先生のところで使われたネタですが、安いものを見つけたということで、そのまま使っています。今回配布した筒は少し短いのですが、ダイソーで6本で100円の品物です。川村先生はガムテープで貼っていましたけれど、ガムテープだと完成があまりきれいではないので、私は製本テープを使っています。
  では、紙筒を1個と、回折シート、あとは黒い製本テープを配ってください。黒い製本テープは長いもの2枚に、短いものが4枚です。渡ったならば作業をしていきます。」


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