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「終わりましたら、あとはこの鏡を切って貼って、立方体の鏡の3面を作ります。まず、ここを切ります。切って、こちらに移動します。ここはちょっと折るだけです。そうすると模様がこのようになります(左写真)。配布プリントの図の形ができます。
  こちらを切断する場合、はさみで切りますが、カッターでも切れます。3個の模様が全てこの1点に集まるように作っていきます。」



「ここは折り曲げるだけです。少し筋をつけてぎゅっと曲げてください。青い面が外側です。内と外を間違えないようにしてください。
  そうするとこういう感じの3面ができます。ここにセロテープをつけて、ここにもセロテープをつけた状態です。最後にここ、残り1個も立体的に重ねて、セロテープを貼ります。」



「そうするとこういうものができます。この形、非常に有名な形なので教えています。光が入った場合、入った方向に返っていく形です。
  自転車などの反射板に付けられてるのはこれの集合体です。反射板というのは、ドライバーと視線がほぼ同じ方向の前照灯からの光が入って、ドライバーの方向に返ってきます。ですからドライバー以外の人は全然眩しくありません。光を出している人だけにきれいに返っていくように付けている、ということです。
  数年前有名な話があります。月にこれと同じものを置いてくる計画がありました。月にこういうものを置いて、月にレーザーを当てると、当てたところに戻ってきます。
  今回の工作には関係ないですが、そういう話題も取り扱うとよいでしょう。」



「テープを貼るのは外側だけです。ちなみに内側は保護フィルムがついていますが、あとで剥がします。手の指紋がつかないように保護しているものですから、万華鏡が完成の暁には不要です。
  工作教室で、小学生にアドバイスを受けたので、1点だけ注意します。ミラーに繋がってるものと、切ったものがあるのですが、繋がってる方の表側、こちら側(左写真)の、ここにマークを付けてください。マジック持ってくればよかったですけど、ないのでテープを少し貼っておいてください。目印です。
  こういう感じで、繋がってるやつはどちらか、ということを忘れないようにチェックしておきます。これがあとで重要になる場合があります。」



「鏡と工作用紙を組み合わせて、完成ということになります。組み合わせるときには、箱になることを考えてください。間違えて、箱ができた、でもふたがない、という人がいます。
  そのようにして、例えばこういう感じの形を作ります(左写真)。ふたが閉まれば箱になります。ふたが閉まらない場合にはこの状態で作業を中断します。」



「先ほどの目印がこの下にくるようにしてください(左写真)。これを間違えてこういう風に置かないでください(目印が横にくる)。
  後で剥離紙(保護フィルム)を剥がすのですが、剥がすときに、ここを剥がせば繋がってるから下まで取れます。ところが切れた方を下に置いておくと、剥がすときに、どうやって剥がせばいいのか、ということになります。」



「では、1番上のふただけはつけないで、あとは全部下から順番に両面テープを剥がしながらつけていってください。なお、これは仮止めです。あとでこの工作用紙のところをビニールテープで補強していきます。
  ここまでは鏡に手を触れても大丈夫です。ここまでできたら、最後のふたをするわけですが、その前に、先ほど言いましたように鏡の前を覆っている、このやや不透明なフィルムを剥がしてください。この後、鏡に触ると指紋がつきますので、鏡には触らないように注意してください。先ほどの目印を下にしてあれば、上を引くと下まで一緒に引っ張ることができます。
  あと側面のフィルムを剥がし、手を触れないようにしながら、最後の両面テープを剥がして、箱にしてください。」



「両面テープはがっちり止まらないので、仮止めです。内側を押さえたい人は細いもの、はさみの一部でもいいですが、中に入れながら押さえていきます。鉛筆が一番よかったのですが、割り箸の先でもいいです。
  あと、最後に工作用紙の面を補強して完成です。見本どおり、補強はこのテープのところを全部します。ここで1点だけ注意です。鏡の削った部分は隠さないで下さい。ここから光が入りますので、これを止めてしまうと光が入らなくなります(左写真)。
  先ほど渡している回折シートで中を覗くと、その線が今度は分かれて色がついて見えます。」



写真をクリックで動画が見られます(378KB)

「次です。先ほど線の部分を隠さないでくださいと言いましたが、わざと隠してもいいです。赤で隠したものがこれです。(左写真)そうすると中の線が、透明な、白い線に対して、こちらは赤い線が見えます。赤を貼ると赤い線が見える。青を貼ると青い線が見えますし、グリーンでやるとグリーンの線が見えます。自分の好きな色でやってみてください。
  工作用紙の部分は補強しておいた方がいいです。工作用紙以外の部分は、色をつけたい人はつけたい色で貼ってください。
  では補強の仕方ですが、簡単なのは穴のところからスタートして、ぐるっと1回りして穴のところまでいく方法です。これで、1回分の補強になります。次の面の穴のところからスタートして、ぐるっともう1回すると2回です。3回やると3面補強できます。6cmずつ切って1面ずつ補強してもいいですが、その場合4回で1周分の補強になります。(動画)
  補強ですから、自分の好きな色でやってください。ただビニルテープは引っ張ったまま貼ると、後で戻りますから、箱が潰れるほど引っ張らないようにしてください。万一引っ張ってしまったら緩めて貼っていくようにしてください。」



「時間が残り少ないので最後に作品紹介をします。ワンダーボックス万華鏡には色々なバージョンがあります。例えばこちらは全部鏡で作ったものです。少し模様が違うので回します。工作用紙があると作りやすいのですが、こちらの方が大体『きれい』になります。
  あと珍しい模様、直線でもなく、曲線でもない模様です。このように削るとまた別の模様が見えます。こちらも回してください。好きな模様を作ってくれるといいです。
  鏡6枚のものは、実は小学校の低学年では少し難しいです。なぜならば、工作用紙を使うやり方は箱の3面が安定してできるので、これに鏡をくっつけるだけで作りやすいのですが、使わないと安定してできる3面がなく、6面とも不安定な状態のまま鏡と鏡をつけなくてはならないからです。これは小学生の下の学年には少し難しいので、もう少し大きくなってからのお楽しみ、という話をします。」



「最後の注意になりますが、とにかく怪我に気をつけてください。アクリルカッターとカッター、それからはさみも使っていますので、大きな怪我のないようにしてください。逆説的な話ですが、こういう工具はなるべく切れ味を良くしておくと良いです。切れ味を良くしておいた方が、大きな怪我が少ない。ちょっと切った、という小さな怪我はありますが、大きな怪我にはなりません。切れ味が悪いと無理矢理力を入れて、入れた力で思い切りいくので傷が深くなります。切れ味が良いと、ちょっと力を入れただけで切れるので、深く切らないで済むからです。ですから、刃物はなるべく刃を良く研ぐように心がけています。
  ではこれでお終いです。質問がある人は終了後残ってください。本日はどうもありがとうございました。」


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