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【サイエンスショーの実験を授業で実施する
 ●意義…○生徒にとって分かりやすい内容
       ○興味を持ち学習意欲が持続する
       ○講義や図を実験で説明
 ●やり方…@ショーの一部を取り入れる
        A実験を取り入れる
 ●利点…○ショーは対象年齢が広い
         (その中に中学生は含まれる)
       ○印象に残る実験が多い
 ●問題点…×投げ込み教材】



「そして、『サイエンスショーの実験を実施する』ということです。
 一つ目、意義。
 これは、実験が非常に分かりやすくなります。例えば、さっきも言いましたように、このクントの実験。これは他に色んな装置をつけるんですけども、この筒の部分だけ取り出しても、音が波のように見えると分かります。でも実際にこれは中学校の教材には入っていません。中学校で入ってないけども、分かりやすいですね。こういうものを見せると子どもたちはすぐ分かります。」



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「他の教材では、例えば電磁誘導の実験で、これはコイルです。これ見たことある人はいますか。テレビで米村さんがよくやっています。手を繋いで電気を流すっていう実験です。これは米村さんが使ってるタイプと同じだと思いますが、1万回巻いてあります。こちらはネオジウム磁石です。
 触ってみたい人はいますか?今日の人数だと全員が手を繋いで、電気が通るくらいです。心臓の悪い人はやらないでください。
 強くやると膝が崩れますが、弱くやればそれほどでもないです。中学生は一応思い切り叩いても元気に立っています。
(受講者が出てきて実験する)
 じゃあ軽くいきます。軽くいくと、このくらいです。ありがとうございます。皆さん拍手しましょう。」



「これは簡単に作れます。0.1mmのエナメル線を1万回巻いて、コイルを作るだけです。そして、真ん中に鉄芯をつけて、大きいネオジウム磁石をぶつけるだけです。
 光るのも良いですが、体験すると忘れないようです。毎年聞くと、とても印象に残った実験として、最後まで『これが面白かった』と言ってきたり、勝手に理科準備室に忍び込んでやっています。一応これくらいだと大丈夫だと思ってさせてます。
 こういうのも、すごくインパクトがあります。分かりやすいです。そしてやはり興味を持ち、学習意欲を持続します。」



「これだけ実験していると、テストの点数はどうなると思いますか?テストの点数は、実験をあまりしない先生と変わらないか、高いくらいです。子どもたちは自分で勝手に勉強してます。
 もちろん授業そのものを、きちっと頑張ってやっています。でもやっぱり、子どもたちが自分で勉強する、というのが育つようにしています。
 あと、普通は言葉で、または図で、写真でやってしまうようなことを、どんどん実験で説明できる。これはすごくいいと思っています。
 一応やり方としては、サイエンスショーを授業で全部やったら、授業が終わってしまいます。それほどの余裕は、さすがにないです。現場の先生は、時間がないって言いますが、あれは本当です。
 教科書の内容は減っています。でも、一回減ったものが今年からまた少し増えています。それをやっていこうとすると、本当に時間がないです。だから『こんなにいっぱい、どこで実験をやるんだ』といつも言われますけども、ショー全体ではなく、ショーの一部を取り入れる形でやっています。」



「では、実験を一つやります。こちらはボウリング球です。これはブロアーです。いつもは掃除機を使っていますが、今日は掃除機を持ってくるのが大変だったので、ブロアーという送風機を使います。この送風機で、このボウリング球を動かそう、という実験です。
 色々やったんですが、吹き飛ばす、という方法ではやっぱり動かないです。なので、吸い上げる方で最近はやっています。掃除機でこれを吸うんです。
 さあ、ではどうやったら動くでしょう。これが吸い上がるでしょうか。
 これは絶対無理です。色んなもので吸ってみましたが、上がりません。今日は、ボウリング球は16ポンドのもの持ってきてます。一番重いものです。」



「では、なぜこれが上がらないのか考えてみましょう。授業の流れとしては、大気圧のことは知っています。
 なぜ上がらないのかというと、例えばこの球の上、ここに空気があって、押してます。横にもあります。下のほうにも少しあります。この球の周りを一生懸命空気が押しています。
 そんなものをブロアーだけで上げよう、としても無理です。だからまずは、空気を整理します。大気圧はやはり上から押すイメージが強いです。ここで、上から下からをはっきりさせるために、今日はこんな大きいストローを持ってきました。(大きい透明な筒を出す)
 こうやって、まずは軽く空気を抜きます。これでは絶対無理ですよね。」



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「(上にふたをかぶせる)さあ、ではこれでどうでしょう。これで吸ってみます。
 上がるでしょうか。上がると思う人。少ないな。
 いきますよ。(ブロアーで吸う)
 上がらないんです。」



「これは上がらない。なぜ上がらないのでしょう、と考えさせるんです。
 そうすると、今いくら上から空気を吸っても、実際に調べたらこのブロアーで減圧できるのは、大体0.1気圧から0.05気圧くらいです。なので、この幅があると実は上がるはずなんです。
 でも、この球の上にある空気をいくら減圧してもだめです。なぜなら、上に上げようと思ったら、下から押す人が要るでしょう。だれか押してくれないと上がりません。そこで少し工夫します。誰か入って下から押せば良いんですが、私たちは入れないので、空気に入ってもらいます。こんな工夫をします(筒の下に木材を入れて隙間を作る)」


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