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【理科室の活用
 ●基本的に理科は理科室で行う
 ●実験をいつでも出来る環境作り
 ●理科室のルール】



「そして、理科室の活用ということですが、基本的に私は理科の授業は全て理科室で行っています。
 そのために理科室ではいつでも実験をできるような環境作りをしています。とにかく色んな実験器具を学校に並べて置いてあります。今日持ってきたのは全部私物で家から持ってきたものですが、家に実験道具の入った衣装ケースが40箱くらい、ずっと並んでいます。必要な実験ではそれを学校へ持っていってやっています。前の学校では理科室に置いておいたのですが、今の学校は狭いので、家に置いています。
 こういうことをやって、すごく良いのは、若い先生が積極的に一緒にやりたい、と言ってくれることです。『先生、この実験使って良いですか』と言ってくれます。私は今年学校変わったんですが、ある先生は去年もいた学校が同じで、今度の学校でも『先生、この時期だから、そろそろこの実験を出してください』と言ってきます。やはりそういう気持ちになるんでしょうね。
 だから準備を周りの先生と協力しながらどんどんやってくと良いと思います。」



「それから理科室のルール
 これはきちんとしなくてはいけないんですが、学校によって理科室の環境は全然違います。このような講義室みたいな理科室もありますし、テーブルがきちんとなっている理科室もあります。なので、それは学校によってどんどん工夫しなくてはいけないと思います。
 それから、これは私の学校です。理科室にこんな風に全部入れてます。これは電流の実験の器具ですが、今年作って、2人で1つ使えるようにそろえました。」



【実験器具の選択
 ●自分に合った実験器具
 ●教材を自作できる環境作り】

「それから、実験器具の選択
 まずは自分に合った実験器具をどんどん作っていく、探していくことが大切です。私がいた科学館は、できて間もなかったので、色んな実験器具をそろえました。そろえるにあたって、その実験をするのに何が一番良いか調べました。なので、自分がこれから実験していく中で、これは良かったな、という一番使いやすいものをそろえていくべきだと思います。」



「学校のガスバーナーも使えますが、こういうバーナーを必ず一つ手元に置いておいて、ガスバーナーを出す時間がもったいないときに、さっとこれで実験をやってしまいます。また、教室でちょっと実験したいときにも便利です。こういうものをそろえておけば自由に実験できます。
 それから例えば、静電気の実験で風船を使いますよね。この風船も各社のものを使ってみてください。静電気の起き方が違います。それもやはり色々使ってみないと分かりません。私は、手に入りやすく、動物が作りやすく、静電気も起きやすい、というものを探して使ってます。
 それからあとは自作です。教材を自作できる環境を作っていくことも大事です。私は二つの方法を使ってます。
 一つは自分が作る。
 もう一つは、科学部の顧問をしているのですが、科学部の子に全部作らせています。科学部の子に『こういう実験器具作ると良いな』と言いながらさせると、彼らは夢中でやります。今年もたくさん作りました。」



「あとは、必要そうなもの、使えるものは全部手元にそろえておくことが大事です。ペットボトル、フィルムケース、空き缶、木材、アクリル板、発泡スチロールなどは、常にある程度の量を手元に持っておきます。フィルムケースはもう数年でなくなると思うので、早めにそろえておいた方が良いです。今はカメラ屋さんに行けばただでくれます。でも恐らく、今後ただでくれなくなると思います。フィルムケースはない、もしくは、欲しければ売ります、という時代が来ると思います。
 それから接着剤も、何と何をくっつけるには何がいい、というところまで勉強しました。やはりこういう細かいところは、自分がたくさん実験する中で身に付けたことだと思います。今でもとても役に立っていると思います。」



【教師の姿勢
 ●生徒には遠慮しない
   ・ダメなことはダメ
 ●生徒の気持ちを考える
   ・一人一人の生徒の気持ち・考えを、その表情から読み取ろう。】
「最後の話ですが、自分が生徒に対してどういう想いでいるのか、ということです。教師の姿勢。」



「これは理科だけではなく、教師として考えていますが、まず生徒には絶対遠慮しません。ダメだと思ったときには注意した方が絶対良いと思います。
 生徒は多くの場合には、ダメなことしてるときには自分で分かっています。できるだけ早く注意してあげると、その生徒は救われます。そうしないと次の次の違反をやってしまいます。
 だから理科の授業も、普段もそうですが、ダメなときにはすぐダメだよ、これは直した方が良い、と言います。優しくは言いますが、そういう話はしっかりしています。」



「それから、もう一つ、生徒の気持ちは考える。
 生徒はやはり色んな思いをしてます。その背景に抱えてるものは全員違います。だから一人一人の気持ちを本当に考えていかないといけません。表情について言うと、いつも授業中すごく良い表情をしている子が、少し落ち込んでいたら声をかけてあげる。やはり学級指導とか生徒指導は、授業と本当に結びついてると思います。
 授業で子どもたちを活躍させる、または子どもたちを引き付けていきながら、やはりもう一つの生徒指導もきちんとする。これがすごく大事だと思います。もし教師を目指すのでしたら、このことだけは知っておくと良いと思います。これをしっかりすると、理科の授業は他の授業に比べて非常に成立しやすいと思います。子どもは実験好きですし、絶対楽しんでくれると思います。
 だからもし理科の教師になったときに、子どもたちをしっかり伸ばすことのできる教師を目指してもらうと良いと思います。」



「最後にこんな実験を見てもらいます。一瞬でカップヌードルを小さくする方法です。誰でもできます。
 その前にこの実験をすると分かりやすいです。
 この二つでは、どちらが大きいでしょう。下が大きい?」



「これを、ぐるっと回ってこうすると(上下の積み木を逆さにする)分かりますか?下の方が常に大きく見えます。青色の方が大きいですよね。
 また、ぐるっと回って(上下の積み木を逆さにする)今度は黄色が大きく見えますね。
 こういう面白い現象は結構たくさんあります。これは錯視、錯覚です。」



「ここで、カップ麺もこう見ると、上が小さく見えると思います。授業中こういうものを使いながら、子どもたちに目の錯覚、自分の目のはたらきを意識してもらったりします。」


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