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「では、次です。太陽はどのくらいになるか。太陽は地球の109倍です。
ということでね、太陽を作るのは、紙粘土を使ってもいいんですけど、なかなかね、量が多いんで、これは、ちょっと風船を使います。
すみませんが、このぐらいが太陽、1m9cmだぞ、と思ったところで手を挙げてください。そこで止めますから。
このぐらい?もっと、の人ちょっと手を挙げてください。」
(挙手の人数が少ない)
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「じゃあ1m9cmってこんなもんかな。どうですか。」
「さて、定規もなくて、これが直径1mであることを分かるにはどうしたら良いか。これ、抱えるんですよ。私の身長174cmです。すると両手を広げた長さは何cmある?大体身長と同じです。2倍で3m40cm。
今は文科省の方針で円周率は3としていいそうですから、340cmを3で割ってみなさい。1mになるでしょう。ということは、私が抱えてちょうど半分くらいになる。これが1mなんです。
実はまだ大きいんです。」
「皆さんは円周率を3.1415…、と覚えてるけれども、実用的に使うことはほとんどないんです。
だけど、何もない所で物を測ろうと思ったら自分の体しかないでしょう。そしたら、円周率をおよそ3やな、と思い浮かべれば、直径1mが出るやんか。
そうやって子どもたちの身近なものから数学の世界まで行くわけですよ。そこの過程を忘れてるから、子どもたちは数学嫌いになるんです。」
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(風船を膨らませる)
「実は直径1mってこのくらいなんです。半分でしょう。ですから、直径がほぼ1m。皆さんの作った地球と比べてください。
これが皆さんのところを中心にして、約100mちょっと向こうにこの太陽がある。
ここだったらちょうど神楽坂の坂のとこぐらい。もうちょっと手前かな。」
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「さあ、皆さん、そこで定規を持って欲しい。地球の所を目にやって、向こうに月が見えますよね。
いいですか。太陽を見てください。この月と太陽が重なるところ、そこが太陽の位置です。そして重なる時、それが日食なんです。
これだけ小さい3mmの球が、この直径1mの球と重なるところ。そんなこと、うんと離れてることは、分かるよね。こうやって実感してください。」
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(風船の空気を抜く)
「ちょっと持ってると疲れるので離しますけどね、これ、離した時にね、ただ離しただけじゃね、地学やってる者として失格なんですよ。
前の人だけ確認してもらいましょう。どうなってる。変化ありますか。これ冷たくなってるんです。ちょっと触ってください。これが雲を作る原因ですよ。圧力が下がって気温が下がる。
だから風船ね、膨らます時だってね、別にぱーんってするだけが能じゃない。こうやって萎ましただけでも、自然現象への手がかりはあるんですよ。」
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(風船を再び膨らませる)
「何をやって欲しいかというとね、この大きさ触って欲しいんですよ。自分の作った、ちょっと触ってみて。これが1mくらいの大きさです。どうですか。」
(風船を持って回る)
「今、理科の先生ってね、目に見えるものに頼りすぎるんですよ。実際に作ってみてください。その作った地球、その100倍がこれですよ。どうしてこんなに違うんだろう。分かります?
皆さんが109倍というのは、長さですね。面積だと109倍が、まあ、100倍だとしましょう。100倍、100倍で10000倍になる。立体になったら、100×100×100で1000000倍にもなります。だから、こんなに違う。だから、実体験。
このようにすれば、たった簡単な風船1個膨らますだけで授業の幅がドンと広がる。ただ単に風船膨らませて萎ませただけですよ。言ってしまえば一言。だけど、これだけで子どもたちは興味を持ちます。こういう視点を是非持って欲しい。」
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「次行きます。木星を作りましょう。木星を作る時、地球を1cmとしますと、木星というのは約11cmです、直径が。
直径が11cmだとしたら、円周はいくつになる。何cmになる。まあ、3でやったら、33cm。さあ、皆さんに配ってるものがこれです。」
(細長い紙を示す)
「これ定規あったらちょっと測ってください。30cmのちょっと上だと思います。で、ここにも両面テープありますから、両面テープをはがしまして、それで、よいしょ。(紙を円にして両面テープで固定)そうすると、定規に当ててください。何cmになるか。丸くしたところです。丸くした、ほぼ直径がどのくらいになるかやってみてください。およそ10cmちょっと、11cmか12cmかな、なると思います。
いいですか、10cmくらいになりましたよね。これぐらいに、この先ほどの型紙と同じように粘土がうまく入れば、大体木星の大きさだな。しかしこの木星の大きさ、これいっぱいにしようと思ったら紙粘土いっぱい使いますでしょう。もったいないから、今日は新聞紙使います。」
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