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「新聞紙を持ってください。全紙版っていうやつです。そうしたらね、ぐちゃぐちゃぐちゃって、こうやってね、おむすびを。」
 (新聞紙を丸める)
 「それでね、およそその輪っか、当然、こう、入りますよね。いいですか。これぐらいは入ってもらわないと困るよ。
  はい、次行きます。では白い紙粘土をこの紙の上に乗せてください。その上に手のひら乗せてみてください。手のひら1枚分くらいだと思いますよ。」



「皆さん多くの人が教員目指されてると思いますけど、教員で一番大切なのは危機管理です。そのとき重要なのはね、例えばやけどしたりしますよね、子どもたちが。その時、どのくらいの大きさかっていうのを救急隊員の方に初めに伝えておきますと、対応が違うんです。
  手のひらは人間の体表の100分の1なんです。ですからもしね、誤ってやけどした、その時にね、ぱっと見て、手のひら3つ分くらいです、って言ったら、あ、これはどのくらいだっていうのが分かるんです。そうしたら対応が違ってきます。そういうのは知識として持っていて欲しい。」



「で、手のひら大体1枚分くらいだと思います。それを広げて広げて、手のひら2枚分くらいに広げて欲しいんです。で、広げる時にね、上から押し付けたほうがうまくいきます。
  で、えーと、大体あのね、これで分かるのが圧力なんですよ。結構広げるって力かかるでしょう。圧力の問題なんです、これは。
  単位面積辺りにくわえる力ってこんなもんなんだ、って実感できます。
  それで、広げたらね、1回はがしてください。多分はがれると思います。できましたら、真ん中をちょっとへこませるの。もう1回紙の上に乗せてください。乗せたら今度はね、この紙の芯(新聞紙)をその上に乗せて包むんです。お団子を包むみたいに。」



「中の空気抜けるの分かるでしょう。抜けるくらいぎゅっとやってください。
  先ほどの輪っかに(通してみてください)。ちょっとばかり小さいかもしれません。
  実際ね、私も経験上、何回か作ったんですけどね、土星くらいになるんですよ、これでやると。」



「それと、先ほど作った地球と月とを比べて欲しい。どうですか。
  だいたいね、オーダーが一緒であればかまわないので、10倍と考えましょう。そうすると地球の10倍なんですよ。ということは、体積だと1000倍なんです。ですからこれだけの違いが出る。
  ところが皆さんは、例えば木星が地球の約10倍、とか11倍、と知識として持ってるんです。実体験がない。だから分からない。」



「今まで申し上げたのは、今回は、最初地球を1cmの球といたしました。それをどうして1cmの球にしたかというと、小さくすれば確かにそれなりのね、サイズに収まるんですけど、やはり実感を持つというのでは、1cmくらいの大きさがないとですね、やっぱり子どもたちは達成感がないんですよ。ですから、この木星や太陽や月や地球の大きさを比べるという面では地球を1cmにする妥当性がある。
  しかし、月や地球や太陽の距離を考える。じゃあこれはいいのかって言いますと、必ずしもそうではない。
  私はなんとか学校の廊下を使って太陽までの距離を教えたい、これが一番最初の発想でありました。
  そうすると、学校の廊下というのはですね、せいぜいあって40m。40mほどないです。じゃあ40mの中に収められるのであれば、雨が降ってもこの教材は出来るな、と思ったので考えた。
  今度は地球を3mmの鉄の球としました。」
 (袋に入った鉄球を配る)
 「見てくださいね。そこには鉄の球が、金属製の球が4つ入っております。ちょっと大きいのと、小さいのと。大きいの、これが直径3mmです。もしよかったら定規で見てください。
  もう1個のは1mm。これは地球を3mmとしたときには月は約1mmなんです。縦横高さ、月の3倍は地球ですけれども、体積にしたら、3倍×3倍×3倍、27倍なんです。だからこんだけの差になるんでしょ。
  月ね、なんで3つ入れてるのかっていうとね、うまいことやるとね、3mmにちょうど重なるんです。」



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「だいたいこれね、手のひらの中心に地球を置いたとして、中指の腹、ここが大体月です。大体9cm。これが地球を3mmにしたときの地球と月の距離です。そしてその先、30mちょっとのところに太陽があります。
  その太陽はどのくらいの大きさかというとですね、実はこのビーチボールの大きさなんです。そして30m離れたところに、この太陽があります。
  で、まあ9cmですから、ちょっと無視して、その月と太陽が重なる距離、これが大体32,3mになりますけども、それがぴったり重なった時、日食なんです。ですから、日食っていうのがどうして稀な現象なのかって言ったら、これだけ離れていて、重なるんだから。ちょっとした違いで日食にならない。
  ところが皆さんが学んできた地学の中では、三球儀といってね、月と地球と太陽があって、ぐるぐる回すようなのがある。あれだと、この距離がないものですから、常に新月の時に日食にならなきゃいけないと思ってしまう。ですから実感を持って欲しい。」


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