「児童・生徒の関心・意欲を高める実験の在り方」

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「(某人気キャラクターの絵が両面にある厚紙を見せる。)
  騙されないように見てください。
  前にも[キャラクター名]、後ろも[キャラクター名]です。
  今こちら(左側)から風が吹いてきます。強風でございます。風に押されて[キャラクター名]は斜めになります。
  恐れ入りますが、今日は皆さん、子どもになったつもりで[キャラクター名]と同じように首を傾けてください。全員でやると非常に可愛いです。そのまま、顔を傾けたまま見てください。」



「裏返すと後ろの[キャラクター名]も同じように傾いていますね。これは当たり前です。
  一回元に戻しましょう。今度は反対から風が吹いてくる。また強風でございます。反対に[キャラクター名]は倒れます。あ、別に首を傾けなくてもいいですけどね。
  ここで問題なんです。このとき後ろの[キャラクター名]はどっちを向いていますか。」



「もう一回お見せしますよ。表裏、同じ[キャラクター名]ですね。こっち(左側)から風が吹いてきて、こっちに行くと、[キャラクター名]は裏表同じように傾く。これは当たり前です。
  ここからなんです。反対から風が吹いてきて、反対へ傾く。さあ、このとき後ろの[キャラクター名]はどっちを向いているか。
  配布した袋の中に厚紙1枚と、[キャラクター名]の絵が2枚ありますから、これを使って作っていただきます。まず1枚目の[キャラクター名]は、何も考えなくて結構ですので、机の上にあるスティックのりを使って厚紙に貼ってください。
  問題は裏側ですね。裏側の[キャラクター名]をどっち向きにはれば今のような現象が起きるのか。
  1枚貼っていただいたら、もう1枚は裏側に、自分で手で当てて、回転させれば分りますよね。これで間違いない、という自信のある方は結構ですので、後ろ側ものりで貼りつけてください。」



「できましたか。
  まずは、自分の方を向いている[キャラクター名]の、頭がある方の上の角と、対角線の下の角を持つわけです。
  で、手を動かさずに、対角線をこのまま軸にして回転させてください。これをくるっくるっと。回し方はどっち向きでもいいです。
  『今ここに[キャラクター名]の絵があります。後ろも前も同じ[キャラクター名]の絵ですね。』これに子どもたちも皆さんも頷きます。
  これでもう90%成功したようなものなんですね。この時点で、表裏同じ向きに[キャラクター名]が貼ってあるという風に錯覚させてるわけです。」



「あとはオートマティックで、私が言う通りにやればできます。
  『今こっちから風が吹いてきます。[キャラクター名]の頭のほうから風が吹いてきます。』って言ってこうして(傾けて)やるわけです。そうすると自分でのぞきこんだら[キャラクター名]が斜めになりますね。
  そのまま手を動かさずにぐるっと回転させてください。『すると後ろの[キャラクター名]も同じ風に傾きましたね。』これも子どもたちは頷きます。
  で、『一回元に戻しますよ』って元に戻してください。
  今度は反対で、[キャラクター名]の足がある方、こっちから風が吹いてきましたよって、さっきまでここ(左下と右上)をつまんでたくせに、こっちを持つんです(左上と右下)。大丈夫です、子どもはぼーっとしてるから絶対ばれません。」



「もう一回やります。『こっち(足の方)から風が吹いてきましたね』ってこうするんです(持つ位置を変える)。そうすると[キャラクター名]は風が強すぎてひっくり返るんだね、ってやると子どもたちが、『ああ』となります。」



「で、今日、私色んな手品をお見せしますけども、手品というのは、見て、覚えて、分かったと思ってたらね、絶対にできるようにはならない。これは理科の実験と一緒で、自分が見て、分かったと思った時にやらないとだめなんです。やると、分かってないんだ、ということが分かるんです。そうして練習すると身に付きます。
  今から時間を取りますので、お隣の方でも前の方でも後ろの方でも結構です、一人がマジシャン、一人がいたいけな子どもになっていただいて、ちょっと今やってみてください。どうぞ。
  (皆でやってみる)」



「はい、誰か、かなりマスターしました、という自信のある人(挙手を求める)。前に出てきてやっていただきたいんですが。前でやると必ず覚えられるから良いんですよ。ちょっとやってみてください(受講者1名が出てくる)。
  はい、皆さん拍手をお願いします。」
  受講者「皆さん、ここに[キャラクター名]がいます。ひっくり返しても[キャラクター名]。またひっくり返しても[キャラクター名]。
     こちら側(左側)から風が吹きます。こうひっくり返しても[キャラクター名]は変わらない。
     じゃあ今度こちら側(右側)から風が吹いてきました。そうすると[キャラクター名]はひっくり返ります。」
 「ありがとうございました。」



「私も全国で500ヶ所くらいで教員研修やってますが、彼はかなり上手な方です。前へ出るとね、やってるうちにむちゃくちゃになってしまうんです。しゃべってるうちに自分が何を言ってるのか、何をやってるのか分からなくなるんですね。手品っていうのは手と口が上手に一緒に動いてもらわないと、なかなかいかないわけですね。これは授業の導入に使える科学の手品で、主に空間認識を身につけるのに役立ちます。」


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