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「(受講者一人に眼鏡を渡し、後ろを向いていてもらう)。ずばり選んだカードを当てるという手品。よくあるパターンですね。
  誰か、じゃあ出てきて指差すだけお願いします。絶対口に出さないでください。どうぞ好きなやつ選んでください。(受講者が星のカードを指差す)。いいですか。
  じゃあすみません。ここの場所にお戻りください。(後ろを向いていた受講者が席に戻る)。ズルしてないですよね。マジで見てないですよね。」
  受講者「見てないです」
 「人間には勘がありますから、まぐれでも合うことがありますよね。あたる確率は何分の何ですか?」
  受講者「4分の1」
 「じゃあ1回目勘でいきます。ずばりどれだと思いますか?言ってください。山勘で。」
  受講者「四角」
 「四角。やっぱり超能力はないみたいです。」



「どうぞ眼鏡をおかけください。その間にちょっと私が意地悪をして並べ替えましょう(黒板にはったカードを並べ替える)
  さあ、変わったの分かりましたね。今あなたには1枚しかカードは見えないはずです。あと3枚は消えたはずです。見えてるカードを大きい声で言ってください。」
  受講者「星です」
 「星。皆さん、正解でしたか?
  (拍手)」



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「皆さんのお手元の袋の中に黒いフィルムが2枚ありますね。偏光フィルムでございます。それを通して黒板のカードをごらんください。あ、2種類でやるとわけ分からなくなるので、1枚でいいです。
  見にくいと思うので保護フィルムをはがしてください。保護フィルムは捨ててはいけません。あとで実験に使います。
  で、見ながら90°偏光フィルムを回してください。そうすると見えてたカードが真っ暗になって消えて、消えて真っ暗だったカードが見える。偏光というのは皆さん習ったでしょう。
  こういうことです。こうなってる。(カードの上に偏光フィルムを当てる)。こうなったら見える。(偏光フィルムを90°回転させる)
  偏光の理屈は別に説明しなくても分かりますよね。この偏光フィルムを眼鏡に貼っただけです。私は最初全部見えるようにはっておいて、並べ替えた時に、正解のカード以外を90°倒しただけですね。」



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「そこで偏光フィルムを使って子どもたちを遊ばせるときに、90°倒したら消えたり見えたりするんだっていうことを、もっと刷りこんでやろうと考えました。偏光版漢字クイズ。
  皆さんはフィルムを目の前に構えてください。今から私がここに偏光版で作った漢字を出します。それを早く読んでください。黒い文字で書かれています。
  はいどうぞ。山?川?山にも川にも見えるでしょう。『山川』と読んでください。
  山。(偏光フィルムを当てる)。川。(偏光フィルムを90°回転させる)」



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「もう一個考えたんです。いきます。
  はいどうぞ。
  三?日?
  『さんひ』じゃないでしょう、大学生。そう、『みっか』でしょう。
  三。(偏光フィルムを当てる)。日。(偏光フィルムを90°回転させる)
  偏光フィルムをこうして倒してやる。」



「さあ、何のために2枚偏光フィルムを渡したか。もう1枚、ブッカーという、こんな本の表面をカバーする透明なフィルムテープがありますね。これは偏光を妨げないテープです。これをぺろっとめくって、この上に偏光フィルムを2枚並べて貼ります。どういう風に貼るかと言うと、(黒板の図のように)ブッカーをはがして、粘着面を上にして机の上に置いて、2枚並べてください。
  この隙間はぴちっとくっつけておきます。重なってもいけませんし、離れてもいけません。」



「これは川村先生が監修されてる、高校の物理の教科書に載ってる実験ですが、この偏光フィルム2枚は、ぴったり重ね合わせると真っ暗になるようになってます。
  並べて貼ったら、ぐるっと一回転させて輪っかにしましょう。輪っかできました?そうしたら真ん中に黒い壁が現われました。中をのぞいて見てください。」



「黒い影が現われますね。指を入れても指は通り抜けるけれども、指を抜くとやっぱりそこには壁が残っています。
  真ん丸にしようと思うと、フィルムの端っこ同士をちょっと重ねて巻いた方が、涙型じゃなくてね、真ん丸になります。
  さあ、それでは、さっき話した保護フィルムを後で実験に使うと申し上げました。この筒の中にさっきはがした保護フィルムを1回目はそのままくしゃくしゃにして入れてみましょう。別に何も起きませんが、起きないことだけ確認できたら、保護フィルムを思い切り引っ張ってください。縦でも横でも斜めでも。千切れても良いのでとにかくむちゃくちゃに引っ張ってひずませましょう。
  そうしておいてこの筒の中に入れてください。そうすると、非常にカラフルな色が出ますね。」


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