虹のトンネル (「科学の祭典」用小中学生向けテキスト)
YPC(横浜物理サークル)
虹が見えるわけ
みなさんは、雨上がりの空にきれいな虹がかかるのを見たことがありますね。あの七色の光の帯は空中に浮かんだ水の粒が、太陽の光を受けるときに見える、光のいたずらです。
「虹のトンネル」では太陽の代わりに電球で光をあてて、水の粒の代わりに直径約0.3ミリの小さなプラスチックの玉を使って虹を作ります。このプラスチックの玉を「虹ビーズ」と呼んでいます。トンネルのかべや天井には、この虹ビーズが一面にすきまなくはりつけてあります。
なお、電球はとても熱いのでやけどをしないように注意しましょう。また、虹ビーズが落ちて目に入るといけませんから、かべや天井にはさわらないでください。
トンネルの入り口をくぐると、正面に「スペクトル」というきれいな光の帯が見えます。これはプリズムに光を通して作っています。光は空気中から他のものに入るときに、「屈折(くっせつ)」といって進む道すじが折れ曲がりますが、曲がり方は光の色によってちがいます。このため色々な色が混じった光をプリズムに通すと、色ごとに道すじが分かれてスペクトルになるのです。
虹が見える理屈もこれとにています。太陽や電球の光はいろいろな色を含んでいますから、水の粒や虹ビーズに入った光は屈折・反射して出てくるときにスペクトルに分かれ、決まった方向から決まった色の光がやってきます。これが虹に見えるのです。
空に見える本物の虹は、必ず太陽と反対側に見えます。「虹のトンネル」の虹はどうでしょう。電球と反対側に自分の頭のかげをとりまくようにまあるい虹が見えますね。本物の虹と同じです。でも、電球のまわりにも小さな虹の輪が見えていますよ。不思議ですね。虹の色の並びはどうなっているか、よく観察してください。下の図をもとに、そのわけを考えてみましょう。
人工虹スクリーンの作り方
「虹のトンネル」で使われている「虹ビーズ」は次の会社で売ってもらえます。
中村理科工業株式会社 〒101 東京都千代田区外神田5-3-10 Tel.03-3833-0741 カタログNo.D20-1406-01 虹ビーズ 700g \2500 |
700gで、新聞を広げた大きさの虹スクリーンを約8〜10枚作ることができます。
(1)床に大きめのビニールシートなどをしく。(こぼれたビーズを受けるため。)
(2)別の場所に新聞紙をしく。(飛び散ったスプレーのりを受けるため。)
(3)新聞紙の上にスクリーン用の黒い紙(黒いラシャ紙など)を置く。
(4)20cmぐらい離れたところから、黒い紙にスプレーのり(3M55)をまんべんなく吹きつける。むらのないように、ねんいりにスプレーする。
(5)スプレーのりを吹きつけた黒い紙をビニールシートの上に移す。
(6)虹ビーズをまんべんなくふりかける。適当にばらまいたあと、黒い紙の両端を手で持って、虹ビーズを転がすようにしていきわたらせる。
(7)ビーズが少ないところにはさらにふりかけてむらをなくす。
(8)黒い紙を立てて、浮いているビーズをはらい落としてできあがり。
(9)シートの上にこぼれたビーズは集めてまた使う。床に散ったビーズはそうじ機ですいとる。
★目をきずつけるおそれがあるので、ビーズが目に入らないように注意すること。
★床にビーズが散ると非常によくすべるので、こぼれたビーズは必ずそうじする。
本テキストは、「’97青少年のための科学の祭典・全国大会」の「虹のトンネル」ブースの小中学生向けパンフレットとして制作されたものです。祭典に先立って事前公開します。科学の祭典は7月26日(土)〜30日(水)の5日間、東京・北の丸の科学技術館で開催されます。興味のある方は是非実物を見に来てください。「世界最大の人工虹施設」があなたをお待ちしています。
関連ページへのリンク
虹のトンネルのようす (miyaさんのレポート・本館へ)
虹スクリーンの作成法 (miyaさんのレポート・本館へ)