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「次のはこれ(左図)から一折りで、色の面積と白の面積を等しくしてください。これはすごく簡単な答えが三つあります。」



「この状態から白と色の面積を等しくするには、今、色の面積が白の面積の半分なので、白を半分隠せば、白の面積が半分になります」



「それと、色の部分が半分だから。この白を強制的に半分にしてしまえばいいわけです。
  半分にするってことは、このように折ればいいし。」



「それから、このように折ればいい。だから、これは理でいってるんですよね。さっきの一番目のはなかなか理でいけない。
  理詰めでいけば楽なのは、誰でも考えます。
  そうじゃなくて、ぱっと思いつかなきゃいけないようなのは、なかなか考え付かないものですが、でも試行錯誤しているうちに、ああ、って思いつくことがあります。
  その瞬間はとても嬉しいですね。
  だからもう、今日はここまで言っただけで、自分でやってみてください。」



「三つの三角形で始めるのもあるし、この状態(左図)から始めることもできます。これを一折で、色と白の面積を等しくする。これは割と楽です。
  なので、頭を柔らかくする。答えを知ると、もっと原理が分かるようになります。
  scientific inquiryは答えを知ってその上に、ああ、なるほどな、そういう理屈でなってるんだな、って分かることにも面白さがあるのかな、と思います。」
【参考文献:笠原邦彦著“The Art and Wonder of Origami”、Quarry Books、2004】



【1枚の紙
  問題:1枚の紙をまっすぐ落とすにはどうしたらよいでしょう。
  ○みんなでアイデアを出し合って試す
  ○条件を一つだけ変えて比較する
  ○やっているうちに、このやり方ではうまくいかないということがわかってくる
  ○うまくいく方法に出会ったら、それをもっと発展させる】
「次は、紙1枚をまっすぐに落とすにはどうしたらいいでしょう、という問題です。
  これをまっすぐに落とします。」



「紙飛行機をどうやったらうまく飛ばせるかという話をするために、紙1枚から始めます。一番シンプルなところから始める。そうすると原理が見えやすいですよね。
  子どもたちの前で、『紙1枚、これを手を離すとどこへいく』って言うと、『落ちる』『下へ行く』
 『なんで下へ行く?』
 『重力』
 『重力って何だ?』
  質量がある物同士は引き合いますね。今みんなの周りにあるもので、一番重いのは地球。だから地球に乗ってる私たちは皆地球の中心に向かって引っ張られる。
  だから紙も地球の中心に向かって、手を離せば引っ張られる。それで、まっすぐ落ちる。」



(落としてみる)
 「まっすぐ落ちない。ひらひらといく。
  『それはなぜか』といったら、『空気が邪魔するからだよ。空気が下から邪魔してくるからだよ』っていう。
  じゃあこれをまっすぐに落とすにはどうしたらいい。」



「縦にやってみる。縦に。」
 (落としてみる)



「じゃあ、穴を開ければいいんじゃないか、という意見があがります。この真ん中に穴を開けるんですよ。
  そうすると、これ、大事なペーパーなんですけど、穴開けちゃいますか。
  適当に穴を開ける。これでうまくいくか。」
 (落としてみる)
 「前よりはまっすぐいくけれど、決して、垂直にすとーんとはいかない。」


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