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【ノーベル賞コーナー
  提供:京都市青少年科学センター】

「これは京都市青少年科学センターで、ここに取り上げましたのは、ノーベル賞コーナーです。この館の中では、約6割くらい、私どもが展示品を作らせていただきました。まあ、地元ですから、頑張って色々とやらせていただきました。その中でノーベル賞コーナー、これを取り上げていきます。
  湯川博士、朝永博士、ご存知ですよね。ノーベル物理学賞受賞の一番最初は湯川秀樹博士です。その16年ほど後に、この朝永博士がもらった。昭和49年、中間子理論ですね。
  そういうのをこういう展示に、ずっと並べました。ここの端は、次はどなたがもらうのか、ということで空白になってるんです。一番最近では田中耕一さん。ご存知ですね。」



「今日はちょっと、実は両博士のもらわれたメダルを実際に皆さんにご覧いただこうと思います。配っていただけますか?それと、二人の博士が書かれた色紙です。本物を預かりまして、実は内緒でレプリカを作っていたんですよ。
  今ここにあります、ここに本当は収めてあるんでね、これがそうですね。ここにメダルが飾られてます。これと同じものがご覧になっていただいているものです。
  それと、ここに色紙が2枚ありますね。これと同じものが、今ご覧いただいてる色紙です。博士が直接書かれたものを複製したわけです。こういう展示もやはり出してます。」




【2001年 湯川秀樹、朝永振一郎博士 生誕100年】

「それで、なぜこれを取り上げたかというと、他にもかなり展示品があるんですが、お二人は1907年生まれでした。そして今2007年ですから、今年で丁度生誕100年なんです。そういう話題性もあって、ここでご紹介しています。これ以外にも相当展示物は飾ってあります。
  メダル見ていただいたところに、湯川博士の場合はですね、秀樹ですから、H.Yukawaとここに書いてます。朝永先生なら、S.Tomonagaですね。これ本物は重いです。本当にずしっとくる。
  それと、実はここにも賞状の絵はあるんですが、ここに花の油絵が描いてある。直筆です。片一方にはスウェーデン国王からの表彰状の文章があって、印は普通のゴム印みたいのじゃなくて、花押といいますか、押してつけてあるものです。あれが押してある。その革張りの見開きの賞状もあります。そういうのをもらいます。
  めったに展示することもないと思います。私も怖いので、初めで最後ですが、そういうのを皆さんからあずかりまして、こういう展示もあります。」



【ノーベル賞】

「これがですね、今申し上げた、黄色いところがお二人の成果ですが、それ以外にももちろん、この場合は自然科学の方ですが、まだこれだけの方がずっと受賞されてますね。京大がほとんどです。東京大学、京都大学。折角の機会ですから、ちょっとよく覚えていただいて。結構おられますでしょう。
  これ以外にも文学賞とか、平和賞とかをもらった方もおられますが、これは科学賞ですね。物理学が多いですか。今回の田中耕一さんは化学、ケミカルの方ですね。
  ちょっと、生誕100年にちなんでちょっと脱線しました。そういうノーベル賞っていうのがあるのも、この機会にちょっと覚えておいていただきたい。」



【展示品製作メーカー
  ■当初は理化学機器メーカー
   島津理科(京都科学標本)、前川科学(のちの東京前川科学からマリス)
  ■科学館の急増で、商業施設(百貨店の催事会場や広告)の専門業者(ディスプレイ会社、昔で言うところの「看板屋」さん)が進出

  最近の展示施工業者
  ・電通(最大手広告代理店)
  ・博報堂(最大手広告代理店)
  ・トータルメディア(ディスプレイ社)
  ・乃村工藝社(ディスプレイ社)
  ・丹青社(ディスプレイ社)
  ・内田洋行
  ・京都科学
  ・リテン】

「あとは、しばしばこういう展示品を製作するメーカーは、どういうところで作ってるんだろう、っていうのがありますが、当初は専門メーカーがなかったものですから、島津理化、皆さんご存知ですね。実験器具でも、確か理科大の備品でもあると思いますが、そういうところと、前川科学が、ほとんど2社でそういうのを請け負って納めていたんですね。科学技術館もそうですね。
  それが終わりまして、科学館の急増で、あちこち需要が多くなってきましたので、商業施設、百貨店の催事会場や広告をやってます専門業者、ディスプレイ会社、昔でいうところの看板屋さん。そのようなところや、丹青社、それと、電通、広告代理店です、あと博報堂、トータルメディアっていうような会社。こういう大手が進出してきました。ですからもう、島津さんも、最近はほとんどそういうのをされてないです。前川科学もなくなりました。私が後に続いて、リテンという会社がやっていますが、そこがやったりしています。あと内田洋行も昨年でこういう文化施設の仕事は辞めました。あと、京都科学はまだやっていますが、ほとんどはこういう大手のところが、それの二次的な、下請け的な業者が複数ある、というような実態です。」



【科学館の目的
  ■科学技術の振興
  ■学校教育の補完、学校教育との連携
  ■生涯教育の場(こどもから大人まで)
  ■地域との密着
  ■海外でも必要性は承知されており各国で計画されている】

科学館の目的になります。日本は資源が本当に少ない国ですから、海外から原料を輸入して、加工したものを輸出する、というその技術が日本に利益をもたらしてるということは、皆さんも十分ご承知のことだと思います。そのためには、優秀な技術者を多く育てなければならない。日本が世界の工業技術国として保っていくには、それだけの努力しないといけないと思うんです。今日は理科大の授業を聞かせていただいて、熱心な授業だったので本当に感心していたのですが、こういう理科系で技術目指される学生さんが少ない。これが危惧されてますね。
  ちょっとこの間データを見てまして、科学技術振興財団というところが発表してるデータによりますと、2030年には今の30%くらいしか理系を目指す学生さんがおられない。ということは日本でどれだけになるかっていうと、日本で1100万くらいの人口しか理系がいなくなるという推定があります。本当に私はその辺を危惧してます。
  本当は、もっと理系を目指してくださいって声を大にしてお願いしたいところですが、科学館がその目的の一部を担ってるのです。科学館も、まあ科学技術の振興ということで、大いに役立ったりしています。それから、学校教育の補完、学校教育との連携。生涯教育の場として、こどもから大人まで、本当に社会教育としての位置付けをしたりしています。それと地域との密着ということで、それぞれの科学館にも地域性がありますね。工業地帯とかにある科学館と、また違うところに行くとちょっと特色が違います。」


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