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次に,シャワー綿棒を使います。普通の綿棒より径が大きいものです。

これをはじめて見たとき,『ああ,これはあれにぴったりだ』という実験を思いつきました。この実験は愛・地球博(愛知万博)のステージでもやりました。このシャワー綿棒でいったい何ができると思いますか? ヒントはもう一個部品が要ります。直径6mmの太いストローです。これとシャワー綿棒がきっちりはまるのです。細いものでもできますが,格段にこちらの方が良いものができるのです。
 ここら辺は,教材開発を自分でやっていこうと思うなら,いつもそういう視点で物を観察していく必要があります。実際,私の教材開発仲間は全国で5人くらいシャワー綿棒で全く同じこと考えていました(笑)。
 これで音階を出せる笛ができます。

 

 



写真をクリックで動画が見られます(1801KB)

細い綿棒と細いストローでもできますが,実際両方使い分けたらすぐに違いがわかります。試験管でフ−ッと吹く実験があるでしょう。ものすごく細い試験管とちょっと太めの試験管とどちらが音出やすいでしょうか。そう考えていくと,シャワー綿棒の方がはるかに優れているのが分かります。
 私の教材開発仲間は皆,「太い綿棒が出ればいいのにな〜」と思っていたから,出た瞬間,即買占めです(笑)。

 

 


ぜひ何か一曲吹いてください。1オクターブくらい出ます。ドレミの歌が吹けたらすごいです。
 これをやるときは,細い綿棒でもストロー笛を作って比較して欲しいです。何が違うのか。簡単に音は出せますが,曲がうまく吹けないのです。そこら辺を指導者としてしっかり理解してから指導して欲しいです。
 これは小・中学校だけでなく,高校物理の気柱共鳴の授業でも使えます。これを足がかりにして,探求的な活動に持っていくのです。気柱が半分になったとき,本当に1オクターブ上がっているかなどを調べます。開口端補正なども考えさせることができます。ストロー笛1つで楽しみながら勉強に取り組ませることができます。

 

 


教員評価
 評価のA,B,C,Dで,Aは「とてもそう思う」。Bは「そう思う」。Cは「ややそう思わない」。Bは「まったくそう思わない」という選択肢です。
 教員にとってシビアな質問は『私(生徒)は,教科の授業がよくわかる。』『先生は授業中わかりやすく説明してくれる。』という項目です。生徒が教員の授業を評価するのです。

この結果が理科だけ突出して良かったのです。詳細は公表できませんが,A評価が7割を越えていました。他教科はどれも5割前後でした。
 教員研修会でもこの話をすることがあります。ここまで評価を上げるために,どれだけ実践したかという話です。

実は,特別なことは何もしていません。理科室で,教科書にある決められた内容の実験学習を行い,その結果,理科の成績がアップしただけです。他の教員と比べて実験主体とは思いますが,それ以外は特別なことはしなくてもこれだけの差が出たのです。そして,生徒からの支持は保護者からの支持に直結します。

 

 


教員評価をホームページなどで外部に公開する学校が増えてきました。私の勤務校は,その当時,これを外部に公開しませんでした。

私としては,自分が良い評価だから公開して欲しいと思ったりもしますが,なかなか難しい問題も含んでいます。ただ,これだけのデータがあれば,例えば異動の時にFAで使えると思います。異動希望時に,『理科の授業でこれだけ成績を上昇させ,これだけの教員評価を得ました』と言うのです。こういう時代なのです。

 

 


学校評価でも生徒目標などは公開されました。これはクラス別の評価です。つまり自分のクラスにどれだけ満足しているかが読みとれるものです。
 私はこの2年間,連続して3年生担任をしています。普通は1,2,3年と持ち上がっていくのですが,そうではない場合も多々あります。私はそのクラスの担任はおろか,4月から初めてその学年の授業も持ったわけです。

しかし,ここでも私のクラスの満足度は全学年で1番でした。たった半年しか付き合いのない新担任のクラスが,1年から持ち上がった担任のクラスより高評価を得たのです。これは先ほどの授業評価と無関係ではないと思います。
 そもそもクラス分けというのは,誰がどのクラスを持つかを予め決めるなどはしません。年度末に,誰がどのクラスを持ってもいいように公平に分けて,4月当初までに学年の新担任メンバーで,クラスを当てはめていくのが普通です。3月にクラス分けをした人達が,次年度も残っているとは限らないので,誰がどこの担任をしてもいいように公平に分けておくのです。だから生徒の問題性や指導性なども考慮し,できるだけ公平に分けます。それが半年経って学校評価をやってみたら,もうこんなにクラスによって差が出てしまいます。 原因をどこに求めるべきか,きちんとチェックしないといけません。そして次年度以降に生かす。PDCAサイクルです。

 

 


これらの教員評価,授業評価の話は「私の自慢」と受け取ってもらって構いません。これからの時代,自分の良いところはどんどん自分でアピールして,受け入れてもらわないといけないのが教員の世界です。
 都合の悪いことは黙っておくことは昔から今も変わりません。隠したり嘘をついたりしてはだめですが,悪いところは積極的には出さないのです。良いところをどんどんアピールしていく。これがFA制や公募制,ひいては学校選択制になっても生き残っていく策略の一つです。うちの学校はこんないいところがありますよ,ってどんどんアピールする時代なのです。品川や杉並などがすでにそうでしょう。みなさんは公立学校や教員にとって大変な時代だと思いますか? 私は「なるべくしてなった時代」だと思っています。なぜ,もっと早くならなかったんだろう,とも思います。

 

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