「理科が好き!楽しい授業とは・・・」

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「伊勢原市立山王中学校の長嶋と言います。よろしくお願いします。
  今日はちょっと緊張しております。よく考えると、普段できないことは今日もできませんので、いつも通りやろうかと思っております。
  今回『理科が好き!楽しい授業とは』ということで、色々チラシを作っていただきました。人を惹きつける授業とか、教材等を中心にお話ができればと思います。
  実は、私は話すのがとても苦手です。今、ここでベラベラと喋っておりますが・・・。教師歴としては10年ちょっと、15年くらい過ぎたのですが。それまで人前でしゃべることはなれなくて。それを言うと『嘘でしょ』って保護者によく言われます。慣れというか訓練というか。ですから皆さんにもできます。心配しないでください。個性を持った教師になっていただければと思います。
  では、これから、『人を惹きつける授業、授業者・教師の楽しみ』ということで話の方を進めたいと思います。」



「今日は、題材として選んだのは2分野の『植物のくらしとなかま』です。まず教科書を見ていただくと、非常に特徴があります。今の教科書は、自分が使っていたときのものと比べて、カラフルで、説明が少なく、中にはこのように、理科って書いてないです。『未来へ広がるサイエンス』と書いてあります。傾向として、広がった感じの名前がついていますね。資料集か理科関係の雑誌のようです。写真がものすごく多い。字が大きい。キレイ。そして、内容は少なめです。これが、学校現場の授業で使われています。
  例えば、植物関係だと仲間を増やす仕組みを学習します。身近な植物(アサガオ)を使い、『花を分解しましょう』と流れていきます。花びら、がく、各部分の名称等を学習します。



次のページは、花のつくりの名前の学習。そのあとに花を咲かせる意味、はたらきに関してです。りんご(果実)ができるのは花が咲いたあとだよというような話をします。一昔前は、小学校で学習していた内容かもしれません。その後、進んでいくと、花の咲かない植物(松)、裸子植物の話になってきます。このように植物のからだについて調べていきます。顕微鏡で葉の表面を観察、光合成でどのように変化したか、茎に関しても、道管、師管等管があるという話になっていきます。教科書順に学習すると今お話ししたような流れになります。わりと定番のかための授業、知識の組み立てのような授業になってきます。」



「私もこういう授業を普通に採用されてから5年くらいまで実施していました。そのころは、教科書をしっかり教えることが一番の中心であって、興味を持たせるという部分にウェイトを置くという意識まで、余裕がありませんでした。ですから、多分、授業を受けてた子どもたちは、半分眠たい等思っていたかもしれません。実験をしていれば、子どもの意識も変わります。違います。講義の部分は、半分眠たかったんじゃないかと思います。
  今、現在はどんな授業をやってるか、それを、体験していただこうと思います。」



「まず、植物です。子どもたちの今までの経験や知識を聞きます。そこに質問が出ています。「今まで生きてきた中で、一番大きな種。種って分かりますよね?」
  皆さん、今までの経験上、一番大きな種ってどれぐらいだったか指でちょっと表していただけますか?アサガオとか、ありますよね。なんだろう、マリーゴールドとか。どれぐらいでしょう?ちょっと上に上げて、指でこうやって表していただけますか?すると、今までの経験上の「種」がこれくらいの大きさかな、とかいうのが分かります。こんなもん(左写真)ですよね。子どもたちは、種ってちっちゃくって細かくって、よく分かんないもの、って思っていることが多いです。」



「あとでまとめてお話しますけれど、授業やるときに、気をつけたい点ですが・・。教科書だけ教えるんだとしたら、今までの知識でなんとかなるんです。しかし、何か伝えようと思うと、その周りに付随してくるものも教えなきゃならなくなる。分かってないと話せないのです。
  私は、どんな準備をして授業に望むかというと、植物って種があるとか花があるとかいろいろな特徴があります。よく分からないので、あるところに駆け込みました。どこかというと神奈川県の『生命の星・地球博物館』です。みなさんは、ご存知ですか?
  そういう博物館に専門家いますので、教員の浅い知識よりも、学芸員さんに聞いてきて、教員が勉強してから授業をした方がいいかなと思いまして・・・。だから、行くことにしたのです。学芸員さんに、種について何を教えたらいいのでしょうか?とお聞きしました。そこの学芸員さんがおっしゃっていたのは、卵じゃなくて赤ちゃんなんだよ。それが一番大事なとこだよ。要するに、生きた個体なんだという部分でした。卵っていうイメージの方が多いらしいのです。それを伝えてくださいということでした。その話をお聞きして、いろいろ授業を始めたのです。」



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「皆さんは、大体このくらいの大きさの物を種と認識されているようですね。私が、用意した最初のものは、これです。これは、何か分かりますか?(綿毛をとばす)
  これ、ガガイモの綿毛なんですね。つる草の綿毛で、タンポポのイメージ。タンポポの綿毛よりも大きいです。種がついてますけど、浮いちゃうんです。タンポポでも、浮くっていうよりは飛ばされるってイメージのが強いかもしれないですけど。このように、空を飛ぶ種があるんだよって話をしたりするんです。
  この綿毛は軽いので宙に浮きます。子どもに渡すと一回上に向けて吹きはじめます。もう、天井の方を向きっぱなしで、30分くらいじーっと観察してるわけです。
  こういう風に面白い教材をうまく提示すると理科の授業成り立つことが分かったのです。いろいろ模索し始めて、いろいろなものを用意することが習慣となりました。」



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「豆類ですけども、こんなものがあるんです。これね、モダマっていう種です。普通は、目にしません。ありませんね。奄美諸島とか沖縄近辺とか行くと自生しているようです。取ってはいけません。天然記念物になっているようです。
  この中に、四角い大きめの種が入っていて、こうやって木に釣り下がっています。熟すと種の部分がカプセルのように1個ポコッと落ちて、浮いて川をつたって流れていきます。水を散布手段としています。そして、隣の島に行くと発芽するのです。ちょっと、まわしていただけますか。めずらしいものですので。」


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