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「それでは、作っていただきたいと思います。用意するものは、工作用紙を切ったものです。この写真のように、まず白い紙を真ん中で折っていただきたいのですが、端は合わせないで下さい。このように先端を5mmくらいずらして、真ん中で折ってください。折ったら、このクリップを折ったところの真ん中に刺してください。子どもたちにやらせると、クリップを使えない、使ったことのない子もいます。刺せないと言って、針のとがった方だけ刺していたりして・・・・。クリップの使い方が分かっていないのです。
  このように工作を通して、物の使い方を教えることもすごく大事なことなのです。例えば、お箸の持ち方を伝えるか伝えないか、文化を継承するか、そうでないかっていうことは非常に重要なんです。また、それによって、どれくらい保護者から見てもらえているかというひとつの判断の目安にもなります。子どもの育った環境を理解するひとつの手だてとなります。」



「完成品は、このようになります。
  このままだとね、まっすぐ落ちてしまいます。少し上の羽の先を、指で反らせてください。1cmくらい、軽く反らしてください。
  ぎゅーっとやることはありません。軽く開いてください。」



「あとはダーツのように持って、上に投げる。(実演)   では、みなさんも広いところで投げてみてください。
  ダーツのように持って投げ上げですね。そうすると、よく回ります。
  部屋の天井が高ければ実物の種もお見せしたんですが・・・残念です。」



「次は、先ほどのお話にも出てきた、ニワウルシです。
  薄い紙を用意します。この真ん中を3mmくらい残して、両端を真ん中に引き寄せてください。そして、真ん中のところにシールを1つ貼る。完成です。
  真ん中を開けないと、幼稚園でよく作った輪になってしまいます。シールをぴたっとつけてください。シールが種の代わりです。ちょっと予算がない時はホッチキスでも結構です。」



「飛ばし方ですが、こうやって人差し指と親指でつまんで、放します。自然の中では、種は投げられたりしません。放してもらうだけで先ほどの種と同じ動きをします。(落してみせる)
  それでは、やってみてください。また、ちょっと工夫すると、変わった飛び方をします。横から見て、丸い所を広げてもらうと回転が変わったり、重心をずらすと落ち方が変わったりします。子どもに渡す場合には、工夫する余地を残して渡す、後からちょっと悪戯できる範囲を残して、教材を渡すということも、大事なポイントかもしれません。」



「では次にカエデの種です。今日はカエデの種を用意しました。すごく乾燥しています。
  実際は木にこのような形でくっついています。羽が2個1セットです。飛ばすときに注意しなければいけない事があります。飛ばしはじめると、自分が飛ばしたくて途中で、ハエ叩きのようにキャッチします。その瞬間に、種は使い物にならなくなります。飛ばすときは手の上に乗せて、そのまま上に投げなさい、と。そうするとくるくる落ちてくる。床に落ちて止まるまで観察します。そうすると、種が壊れません。
  微妙なバランスがすばらしいのは、1枚の羽と1個の重りでくるくるまわること・・・・。自然の不思議ですね。」



「これも一人1個持ち帰らせると、生徒数分必要になります。集めることは無理なので、模型を作ります。次にカエデの作り方です。まず、半分に折って三角形をつくってください。中央の線ができます。それに沿って、このように折ってください。こういうシートを用意しておいて、班ごとに配布する、作業がスムーズになります。」



「次に上下、同じように折ってください。片方だけもう一回、さらに中心に向かって折ってください。
  みなさんしっかり折っています。今、折り紙を折れない人がいるのです。指で引っ張るだけで、折り目ついてなくて、しっかり折れない。小学生や幼稚園生の時に、折り紙をたくさん経験するのは、非常に大事だと思います。機会があったら、爪でこすって折るということを教えていただきたいです。
  ここまで折ると、2回折った方だけが小さくなります。」



「最後に、もう一回真ん中の線で折ります。すると、大きなお山、小さなお山ができます。そして、その間の谷で折ってください。
  谷で折る・・・おわかりになりますか?ここの下の線を合わせるように折ってください。
  そのままだと飛びません。まだ、早いです。人の話は最後まで聞いてくださいね。」



「そうしたらどうするかって言うと、先ほどのクリップでも結構です。もう1個お渡ししますね。(クリップを配る)今度は、クリップを半分まで刺して、半分出しておいてください。これが重心を保つためのポイントになります。
  そうすると、こんな形になります。飛ばし方は、お山のところを持って、手裏剣のように上に投げてください。これで自然の種子を模した、動きを真似たレプリカができる。
  レプリカですが、自然のものじゃないので、逆に面白いんですよ。これを持ち帰った子が、『先生、昨日ね、大きな折り紙で作ってみた』とか『新聞紙でやった』とかです。ものを大きくしたり小さくしたりするだけでも、重心が変わったり、材質が変わったりします。すごく良い教材になる。下手なゲームで遊ぶよりもずっとよいと思います。」


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